ロマンス
女に言わせると、俺には虚空を見つめる癖があるらしい。
「ロマンチストなのね」
何を勘違いしているのか。女はそう言って笑う。
俺が見つめる先にロマンスなどありはしないのに。
破砕音とともに、俺に銃口を向けていた男の頭が砕け散った。
≪いい腕だ≫
≪何を今更≫
感嘆とともに送った電通はそっけない一言で返された。
俺は宙に視線を送る。
俺には見えない高みにいる鷹に。
≪退路は確保してやる。だから早く行け≫
≪了解≫
俺とあいつで築いた死体の山を蹴散らして、俺は走り出す。
それが俺たちのいる場所。
ロマンスなどありはしない。
Fin
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