Fragrance -crimson-
女を撃った。
真っ白な―純白のウェディング・ドレスの女。
まずは右膝。続けて左膝を。
悲鳴。
膝から崩れるように倒れる途中で右肩を。
そして、左肩、左の肘、右肘に。
悲鳴。もっと悲鳴。
女は微笑んでいた。
白いドレスが真っ赤に染まっていくのに。
ずっと微笑んでいた。
その微笑みは眉間を撃ち抜いても消えなかった。
最後に抱えた紅いバラのブーケ越しに心臓を。
女は赤い血溜まりの中に倒れて、微笑みはようやく見えなくなった。
慟哭。嗚咽。そして。
残ったのは電脳がしびれるほどの甘い香り。
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