パズが寝室に行くと、サイトーは全裸のままベッドに腰掛けて待っていた。
「余計な前戯はいらねぇ。とっとと済ませろ」
ベッドから掛け布団を取り去ると、サイトーはゴロリと横になった。
「…色気のねぇマグロだ」
「食う気がねぇなら帰るぞ」
「食うよ」
パズはローションを取り出すと、サイトーの足の間に割り入った。
ローションを垂らした手をサイトーの双丘の隙間に差し込む。
「ん………!」
良く滑るように塗りつけ、入り口を指の腹で撫でる。中に入るのを拒むようにきゅっと閉まった。
ローションの滑りを借りて、その場所に潜り込む。
「うく…ぅ!」
異物感に息を詰めるサイトーの様子を眺め、パズは徐にそこを掴んだ。
「うはぁ…!」
力が抜けた瞬間に、指を一気に奥まで差し入れる。そして硬いそこを押し開くように、指で内壁を撫で始めた。
数度にわたる行為で、サイトーのイイ場所は分かっている。そこを攻めれば、サイトーの内部は簡単に陥落することも。
「うあっ! あぁ!」
それを証明するかのように、サイトーの声が甘いものに変っていた。
これでも堪えているようだが、どうしても零れてしまうらしい。サイトーが右手の指を噛もうとするので、その手を掴んだ。
「入れるぞ?」
「あぁ」
サイトーの右手は掴んだままで、パズは自分のモノをそこに宛がうとゆっくりと押し入れた。
「………っ!!」
大分慣れてきているとはいえ、抵抗はある。しかも今夜は前戯をかなり省いている。身体はまだ少しばかり硬いままだ。
裂くような痛みがサイトーを襲うが、サイトーは黙って耐えた。
これに耐えればそれを上回る感覚が来ることを知っている。否、身体に覚えこまされている。パズという男によって。
生身の身体は快楽には従順だ。サイトーが鍛えてきた身体を作り変えてしまったパズを、サイトーは少しだけ憎みたい気持ちになった。
「…はっ!」
最奥まで、有機的な硬さを持つモノを突き入れられる。
サイトーは何とか呼吸しながら、自分の内部がソレに慣れるのを待った。
そんなサイトーをパズが包み込むように抱きしめる。
「…パズ?」
それはあっという間だった。
パズは繋がったままのサイトーの身体を抱きしめるとシーツから持ち上げ、代わりに自分がシーツに仰向けに倒れこんだ。
浮き上がったサイトーの身体は、自然とパズの身体の上に乗る体勢になる。所謂『騎乗位』だ。
「なっ!」
自分の置かれた立場に驚き、サイトーは声を上げた。
「何のつもりだ?!」
「つまりお前は俺のペースでヤられるのが嫌なんだろ?」
「は?」
「これならお前のペースでヤりやすいだろ?」
「………俺に腰を振れってのか?」
確かにそれなら自分のペースで快楽を得ることができるのかもしれない。
しかし、それ以上に耐え切れない恥辱にまみれることとなる。
「何ならこのまま自分だけ抜いて帰ってもいいぞ?」
「…それはお前にとって意味があるのか?」
男の快楽は端的に言えばイくことにある。イきもせず、相手がイくのをただ眺めていることに意味があるとは思えない。マスもかかずにアダルトビデオを見ているようなものだ。
「お前の痴態が拝める」
「!!!」
「それ以上のものがあるか?」
パズはしれっと言い放ち、煙草に手を伸ばすと火を点けて煙を吹き上げた。
「始めてくれ」
「…この野郎…!」
サイトーは完全に頭にきていた。
(絶対俺より先にイかせてやる)
心の中でありったけの罵詈雑言を吐きながら、サイトーは腰を使い始めた。
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