パズの唇が、舌が、サイトーの表皮を撫でるように這う。
「…パズ…!」
せり上がりそうになる嬌声を噛み殺し、サイトーはパズの髪を掴んだ。
「俺を…女のように扱うな…!」
優しくなくていい。むしろ痛むくらいの方がいい。
そうでなければ生き残った実感がわかない。
「了解」
パズはローションのボトルを手に取ると、中身を手のひらに垂らし、双丘の隙間に塗りつけた。その冷たさにサイトーの顔が歪む。
「…ぐ…っ」
だが、次にきた衝撃に比べれば、それは大したことはなかった。ローションの滑りを借りて、パズの指が一気に最奥まで潜り込む。
「サイトー。息を詰めるな」
サイトーの内部は固く、パズの指を食い千切らんばかりに締め上げてくる。パズは嘆息すると、サイトーの胸に唇を寄せた。胸の飾りを舌先で転がし、吸い上げる。
「ん…っ!」
むず痒いようなその感覚に、サイトーは伸びあがって逃れようとした。しかし、パズの舌はどこまでも追いかけてくる。
サイトーが上に気を取られている隙にパズは指を動かし、サイトーの内部を少しずつ解していった。パズの髪を掴む力が強くなったが、右手なのでそのままにしておいた。
内部が少し解れたところで、指の数を増やす。締め付けは強くなったが、内部は大分柔らかくなり、伸縮しながらパズの指を包み込む。
パズの指先がその場所を掠ると、サイトーの身体が電流で撃たれたように跳ねた。
パズはサイトーの手を頭からはがすと、半身を起してサイトーを見下ろした。
立てられたサイトーの膝を横に倒すと、パズの指を飲み込み、腰をくゆらせるサイトーの姿が、パズの眼前に露わになった。サイトー自身は硬く立ち上がり、透明な蜜を零している。
だが、サイトーは目を固く閉じているため、自身の姿が分かっていないようだ。
「サイトー」
その呼びかけに薄く眼を開けると、悠然と見下ろしているパズと目があった。
「いい姿だな」
「!」
そこでやっとサイトーは自分の醜態に気付いた。
「パズ! てめ…あうっ!」
サイトーの肩膝を押さえたまま、パズはサイトーの内部を引っかくように丹念に撫であげた。
「あ! あ! パズ!」
脳殻の中でスパークするような快楽。サイトーは堪らず声を上げた。
「パズ…! パ…ズ!」
「何だ?」
「…っと…!」
「ん?」
「もっ…と…! 足り…な…あっ!」
もっともっとと身体が欲している。今、生きているという実感を。
それをサイトーに与えてくれるのは、サイトーの身体を開いているパズだけだ。
「…手コキか? フェラか?」
「ん…どっち…も…!」
「贅沢な奴だ」
パズは小さく笑うと、サイトー自身の根元を掴み、先端に息を吹きかけた。それだけで、サイトーの身体が魚のように跳ねる。
パズは根元を扱きながら、サイトー自身の先端を舌先で舐め、咥えて吸い上げた。もちろん、内部に埋めた指の動きも忘れていない。
わざと水音を立てて扱ってやると、甘く溶けた声がパズの頭上から聞こえてきた。
「あ…! あぁ…っ」
サイトーの手が股間に伸び、サイトーを愛撫するパズの頭を掻き混ぜるように撫でる。
≪今夜は随分と素直だな。サイトー≫
揶揄するように電通を送ると、忌々しそうな舌打ちが聞こえてきた。
≪与太ぬかしてねぇで、集中しろよ!≫
不機嫌そうな電通がパズに叩きつけられる。
≪まだ足りねぇのか?≫
≪うるせぇ! 黙れ!≫
≪貪欲な奴だ≫
≪パズ! てめぇ!≫
パズの意図は分かっている。分かっているからこそ、忌々しい。何しろパズの思い通りにするしかないのだから。
「…パズ…!」
「何だ?」
サイトー自身から唇を剥がし、上を見上げると、目元を真っ赤に染めたサイトーと目があった。
「………も…イかせろよ………」
「了解」
再びサイトー自身を咥え直し、痛みを感じる一歩手前の強さで裏筋を扱きあげ、吸い上げる。
「うぁ! あぁ…!」
長く尾を引くような声を上げて、サイトーは果てた。
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