サイトーが吐き出したものを飲み込んで。口元を拭いながら半身を起すと、サイトーが潤んだ瞳でパズを睨んでいた。
「どうした? 良くなかったのか?」
 するとサイトーは左手でパズの腕をとり、その身体を力任せに引っ張った。
「おわっ!」
 思わぬ反撃に、パズが体制を崩す。その身体をシーツに押し付けると、サイトーは起き上がって、パズの身体を組み敷いた。
「………何だ? 今度は俺が『イかせて下さい』と懇願する番か?」
 自分を見下ろすサイトーを見上げて、余裕の態でニッと微笑む。
「言うつもりはねぇってか?」
「逆だ。何度でも言ってやる。お前のその口でしゃぶって、何度でもイかせてくれよ。サイトー」
「っ! もう、お前しゃべるな!」
 サイトーはパズの脚の間に屈みこむと、硬くなっているパズ自身を咥えた。
 初めの頃はフェラをすることすら戸惑っていた。それが今は戸惑うことなくパズのモノを咥え、惜しみなく愛撫を施す。決して上手いとは言えないが、誠意のある行為だ。それが妙にサイトーらしくて、パズは大層気に行っていた。
 パズは目を細めて脚の間で蠢くサイトーの頭を眺めながら、短く刈った髪を撫でる。サリサリと音を立てる感触は心地よく、パズは細い指先で何度も撫でた。
「…顎がつらくなったら、止めていいぞ。サイトー」
 さっきはああ言ったが、サイトーに無理強いするのは本意ではない。サイトーが気持ち良くなければ、パズにとってこの行為には意味はないのだ。
≪黙ってろ≫
 対するサイトーは意地でも止めるつもりはないらしい。そこもまた負けず嫌いのサイトーらしいところだ。
 パズは軽く溜め息をつくと、サイトーの好きにさせることにした。少しでも早くイけるように、その感覚に意識を集中させる。
 サイトーの暖かな舌や粘膜がパズのモノを包み込んでいる。
 そう思うだけで、そこに一気に血が集まるのを感じた。
「…サイトー…」
 パズが呼びかけると、サイトーは指をパズの根元に絡ませ、きゅっと締め上げた。
 サイトーの意図を悟って、パズの口角が持ち上がる。
「イかせてくれるんじゃなかったのか?」
 パズがたまにそうするように、焦らすつもりでいるらしい。サイトーが仕掛けた珍しい遊びに、パズは身体の中の熱が一気に高まるのを感じた。
「…お前のいいようにしろ…」
 その声が自分でも分かるくらいに掠れている。女と寝た時も、否、サイトーとの行為でも感じたことのない快感。パズはそれを今最高に感じていた。
「サイトー…」
 達してしまいたいような。達してしまうのがもったいないような。真逆の心理の間で天秤のように揺れ動く。
「…もう…!」
 その声を合図に絞めつけていた指が緩み、擦りあげられる。
「う…っ!」
 パズは低く呻いて、サイトーの口の中に精を放っていた。



  



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