大の男が二人、一つのベッドに横になり、荒い呼吸を繰り返す。
「…サイトー」
「何だ?」
「いいフェラだった。今までで一番感じたぜ」
「! 馬鹿野郎。そういうことは言わなくていい!」
「言わなきゃ伝わらねぇだろ」
「本当にそう思うか?」
「?」
「お前がイった時の声を聞けば分かるよ」
「なるほど」
 サイトーも男だ。相手の男女を問わず、抱く側の経験がない訳ではない。
「今のフェラはかなり良かったが…」
「だから言うな!」
「だからと言って、満足した訳じゃねぇ。お前もそうだろう?」
「…否定はしない」
 パズは肩を揺らして笑うと、ローションのボトルを手に取った。
「ほら。ケツをこっちに向けろ」
「…さっきやっただろうが」
「もう一度だ」
 サイトーはしばらく黙りこんでいたが、やがてゆっくりと動き出し、四つん這いになって尻を持ち上げた。
「いいこだ」
 その尻を撫であげて、パズはサイトーの背後に回る。
 双丘に細くローションを垂らしながら、二本の指を秘部に潜り込ませる。
「ん…っ!」
 先ほど慣らしたばかりなので、サイトーの内部はパズの指を難なく飲み込んだ。
 ゆっくりと傷つけないように、指を回転させる。
 サイトーは身体をビクビクと震わせ、枕に顔を押し付けて声を殺した。
 ある程度慣れたところで、パズは指の抜き差しを始めた。
 くぐもった声を漏らしながら、サイトーは指の動きに合わせて腰を揺らす。
 そんな腰の下では、サイトー自身が再び蜜を零し始めていた。またパズのモノもイったばかりだというのに、硬度を取り戻していた。
「サイトー。入れていいか?」
「…あぁ」
 受諾の声を確認し、パズは指を引き抜いて、サイトーの身体を裏返した。サイトーの腰の下にクッションを敷き、熱く解れた場所に硬くなった自身をあてがう。
「行くぞ?」
 サイトーが頷いたのを見て、パズは自身をゆっくりとサイトーの内部に侵入させた。
 ローションの滑りを借りて、少しずつ埋め込んでいく。
 サイトーは意識して息を吐き出し、猛烈な異物感を何とかこらえていた。
 サイトーの尻にパズの皮膚があたり、パズのモノが最奥まで飲み込まれたことを知らしめる。
 伸縮を繰り返すサイトーの内部の暑さに一気に上りつめそうになるのを、歯を食いしばってパズは耐えた。大きな波を何とかやり過ごし、息を吐き出す。
「サイトー。動くぞ」
「あ…ぅあっ!」
 返事は瞬く間に嬌声に変わった。
 サイトーの両膝を掴んで、浅い位置で緩く腰を揺らす。
「あっ、あっ、あっ」
 その動きに合わせて、サイトーは普段より高い声で鳴いた。
「パズ…。パズ…!」
 いつもとは違うパズの動きに戸惑いを覚え、サイトーは半身を起しているパズに右手を伸ばした。パズはその手を捕ると、見せつけるようにサイトーの指を口に含んだ。
「パ、ズ…?」
 不審そうなサイトーの顔を見詰めたままで、パズは舐めて濡らしたサイトーの指をサイトー自身へと導いた。
「な、にを…?!」
「自分でやってみろ。足りねぇんだろ?」
 パズに後ろを犯されたまま、マスをかいて見せろとパズは言うのだ。
「俺はこのままでいいぜ。ゆっくりお前を愉しませてもらう」
「てめ…っ!」
「足りないなら、自分で補えよ」
 そう言って、パズはサイトーの手を再び自身へと導いた。その手が触れる瞬間で強張ってしまう。
 しかし、パズの腰の動きは変わらずゆったりしたもので、絶頂に達するには物足りないのも確かだ。
 先ほどパズを焦らした仕返しのつもりなのだろう。
 パズは強張る手を掴んだまま、サイトーを見下ろし愉しそうに眺めている。
「あぁ…くそ…っ!」
 サイトーは観念して、自身を右の手のひらで握り込んだ。
 同じ性を持つ相手に犯されている背徳感と。自慰をしているところを見られているという倒錯感と。
 形容しがたいものが、サイトーの感覚器官を支配する。
 サイトーは声を上げながら、パズの動きに合わせて、手を動かした。
 パズはサイトーの両膝を掴むと、外側に軽く押し開いた。パズ自身を受け入れながら、自慰に陶酔するサイトーの艶めかしい姿が眼前に広がり、パズは思わず息を飲んだ。
 パズは手を放してサイトーの腰を掴むと、力強く突き上げた。
「うあぁぁっ!」
 まるで悲鳴のような声がサイトーの口から漏れる。
 だがパズにはそれに構っている余裕はなかった。ただがむしゃらに、己の欲望が赴くままに腰を打ちつける。
「パズっ! やめ…っ! うあ…あぁぁぁっ!!!」
 パズの細い腕を掴み、絶叫しながらサイトーは絶頂に達し、自身の腹の上に白い粘液を撒き散らした。
「うく…っ!」
 その瞬間にパズもサイトーに締め上げられて。低く呻きながらサイトーの内部に精を吐き出したのだった。



  



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